その古物商許可番号、失効していませんか?

2020年4月1日より、古物営業法の一部を改正する法律が全面施行となりました。

改正前の古物営業法の規定により古物商許可(旧法許可)を取得されていた事業者さんは、2020年3月31日までに「主たる営業所等の届出書」を所轄警察署へ届出を行う義務がありました。この届出を行わなかった事業者さんは、2020年4月1日以降は、古物商許可(新法許可)への継続はできておらず、古物商許可(旧法許可)は失効となっています。

届出を行っていない場合は、新たに許可取得を

「主たる営業所等の届出書」を3月31日までに提出しておらず、4月1日以降も古物商営業を行いたい場合はどうすればよいのでしょう。この届出を行わなかった場合は、その古物商許可は3月31日24時で失効となっているため、新規の許可申請手続きを行わなければなりません。

古物商の変更届出を法定期限内に提出できなかった場合は「理由書」「始末書」といった書面を提出することでその変更届出を受理してもらえました。しかし、主たる営業所等の届出に関しては、「理由書」「始末書」を提出しても主たる営業所の届出手続きを受理してもらうという救済措置は設けられておりません。従って、3月31日までに「主たる営業所等の届出書」を提出していない場合は、新規で許可申請をする方法しかありません。3月31日以前に古物商許可取得していた事業者さんであっても、新規の許可申請手続きの際には、添付書類の省略をすることはできません。審査期間が短縮されることもありません。また、許可取得後に警察署へ納付する19,000円の申請手数料も支払わなければなりません。

つまり、旧法許可と新法許可は別物です。救済措置は一切ありません。

そもそも古物営業法の一部を改正する法律が全面施行されることや、3月31日までの主たる営業所等の届出手続きを行わなければならないことを知らなかったという事業者さんも中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

所轄警察署から法改正情報の通知は届いていますか?

今回の法改正は、届出手続きを行わないと許可の失効という事業者さんにとって著しい不利益が生じる改正でした。従いまして、所轄警察署は郵便などで法改正情報の通知を行っていました。所轄警察署から法改正情報が届いていないという事業者さんは、許可者の住所や営業所の住所を許可取得後に変更されておりませんでしょうか。

住所を変更した場合は変更届出を所轄警察署に提出することが義務となっているため、変更届出が未了の場合は、所轄警察署が法改正情報を発信しても届きません。古物商許可は有効期限がないので更新手続きは不要ではありますが、許可申請書に記載した事項に変更が生じた場合は、都度、変更届出手続きが必要になります。

古物商許可番号の有効性確認方法

ここまでお話しすると、それでは自社の、もしくは取引先の古物商許可が有効なのか、無効なのかが気になるのではないでしょうか。

旧法許可では、古物商許可取得の有無は、古物商許可証を確認すれば可能でした。一方で、新法許可になってからは、古物商許可証を確認しても古物商許可証に記載されている許可番号が有効なものなのか、それとも2020年3月31日をもって無効なのかがわかりません。

これは、主たる営業所等の届出済みかどうかを、古物商許可証に一切記載されていないからです。

本来ならば、届出を行った事業者さんの許可証には届出済みのスタンプを押すとか、古物商許可証を新法許可用のものに交換するといった、新法許可として有効であることの『目印』を警察署は付けるべきでした。しかしそれは行われておりません。

さらに、主たる営業所等の届出を行わずに無効になっている古物商許可証であっても、それを返納する制度ではないため、失効している古物商許可証が事業者さんの手元にある状態が続いております。

上記の理由により、古物商許可証だけを確認しても、新法許可として有効かどうかを確認することができないのです。

古物商許可証の有効性を確認する方法は、古物商許可証を確認しただけではわかりません。古物商許可の有効性を確認するためには、「主たる営業所の届出書」を3月31日までに所轄警察署に届出済みかどうかを確認してください。

この届出が3月31日までに受理されている場合は、主たる営業所の届出書に警察署の受領印が捺印されているか、受領印が捺印する運用を行っていない警察署では、届出受領証といった届出を証明する書類を発行しています。

これらの書類を確認すれば、許可番号の有効性を確認することができます。

一部の事業者さんからは、古物商許可手続きは現場担当者に任せていたので、「主たる営業所等の届出」を行ったどうかわからない、届出を証明する書類が会社のどこに保管されているかわからない、担当者が退職しているので状況が全くわからない、といった声を耳にします。

また、過去には、警察署から法改正情報の通知葉書が届いたから所轄警察署に相談に行って主たる営業所等の届出書を作成したけど、通知葉書と一緒に法人代表印が捺印された届出書がクリアファイルの中に入っている。受理されたかどうかの記録が残っていない。この届出書が提出済みなのかどうかわからない。といったご相談がありました。

古物商許可証に記載されている許可番号が有効なのかの確認を公安委員会のホームページ等で検索できるデータベースがあれば良いのですが、現時点では、そのようなデータベースは存在しておりません。

そのため、「主たる営業所等の届出」を提出したかどうかがわからない事業者さんは、電警察署に許可番号を伝えて、教えてもらう方法しかありません。

古物商無許可営業のペナルティ

3月31日で古物商許可番号が失効しているのに4月1日以降も引き続き古物商営業を継続した場合のペナルティについてご相談頂くことが多いので最後にお伝えいたします。

まず、古物営業法には、無許可営業の罰則は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処すると規定されております。さらに、無許可営業は古物商許可の欠格事由に該当するため、5年間は古物商許可取得をすることができません。

新型コロナウイルス影響による特例

「主たる営業所等の届出」に関しては新型コロナウイルスの影響による特例についてもご相談頂くことがありますが、特例措置は設けられておりません。

ですので、未届出の救済措置は一切ありませんので、主たる営業所等の届出手続きを失念されていた事業者さんは、速やかにその古物営業は中止して頂いて、許可取得手続きを行う方法のみが、失効してしまった古物商許可を取り戻す方法になります。

文:阪本浩毅(行政書士)

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