古物商許可


古物(中古品)の取引はその性質上、窃盗等の犯罪被害品等が混在するおそれがあります。

そこで古物営業法は盗品等の売買の防止、被害品の早期発見により窃盗その他の犯罪を防止し、被害を迅速に回復することを目的とし、古物を取り扱う営業を許可制として公安委員会の許可を受けたものだけに古物営業(中古品の販売や買取)が認められています。

「古物」とはなんでしょうか

  1.  一度使用された物品
  2. 使用されない物品で、使用のために取引されたもの
  3. これらの物品に幾分の手入れをしたもの

をいいます。

「使用」とは、その物本来の目的に従って「使う」ことです。幾分の手入れや修理を行っても、本来の目的に従って使用することができない物品は、「古物」ではありません。

「使用されない物品で、使用のために取引されたもの」とは、一般消費者が買ったりもらったりした品物を、使用しないで新品のまま売却する場合の物品で、これは新品であっても「古物」に当たります。

現在、古物は13品目に分類されています。

古物の13品目の分類

品目 説明 具体例
①美術品類 あらゆる物品について、美術的価値を有しているもの 絵画、書、彫刻、工芸品、登録火縄銃・登録日本刀
②衣類 繊維製品、革製品等で、主として身にまとうもの 着物、洋服、その他の衣料品、敷物類、テーブル掛け、布団、帽子、旗
③時計・宝飾品類 そのものの外見的な特徴について使用する者の嗜好によって選択され、身につけて使用される飾り物
④自動車 自動車及びその物の本来的用法として自動車の一部として使用される物品 自動車部分品を含みます。タイヤ、バンパー、カーナビ、サイドミラー等
⑤自動二輪車及び原動機付自転車 自動二輪車及び原動機付自転車並びに、その物の本来的用法として自動二輪車及び原動機付自転車の一部として使用される物品 タイヤ、サイドミラー等
⑥自転車類 自転車及びその物の本来的用法として自転車の一部として使用される物品 空気入れ、かご、カバー等
⑦写真機類 プリズム、レンズ、反射鏡等を組み合わせて作った写真機、顕微鏡、分光器等 カメラ、レンズ、ビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡、光学機器
⑧事務機器類 主として計算、記録、連絡等の能率を向上させるために使用される機械及び器具 パソコン、ワープロ、コピー機、ファックス、シュレッダー、計算機、レジスター、タイプライター
⑨機械工具類 電機によって駆動する機械及び器具並びに他の物品の生産、修理等のために使用される機械及び器具のうち、事務機器類に該当しないもの 工作機械、土木機械、医療機器類、家庭電化製品、家庭用ゲーム機、電話機、携帯電話、スマートフォン、携帯電話
⑩道具類 他の品目にあてはまらないもの 家具、楽器、運動用具、CD、DVD、ゲームソフト、玩具類、トレーディングカード、日用雑貨
⑪皮革・ゴム製品類 主として、皮革又はゴムから作られている物品 鞄、バッグ、靴、毛皮類、化学製品(ビニール製、レザー製)
⑫書籍
⑬金券類 商品券、ビール券、乗車券、航空券、各種入場券、各種回数券、郵便切手、収入印紙、テレホンカード、株主優待券

この13品目の中から許可申請時に取り扱う品目を定めて申請します。

どの品目に当てはまるかわからない場合は、管轄の警察署に確認しましょう。

どのようなときに古物商許可が必要か

  • 古物を買い取って売る。
  • 古物を買い取って修理等して売る。
  • 古物を買い取って使える部品等を売る。
  • 古物を買い取らないで、売った後に手数料を貰う(委託売買)。
  • 古物を別の物と交換する。
  • 古物を買い取ってレンタルする。
  • 国内で買った古物を国外に輸出して売る。
  • 上記の行為をネット上で行う。

このように買い取った物を売る・交換する・貸すといった場合には許可が必要です。

逆に自分で使っていた物や無償でもらったものを売ったり、自分が売った相手から売った物を買い戻す場合には許可は必要ありません。

古物商許可を取得するために必要なことは?

中古品の売買を行うために古物商許可を取得するためには、まず営業所を定め管理者を選任する必要があります。

管理者はその営業所の業務を適正に実施するための責任者であり、古物営業や古物に関する知識・経験を求められます。その営業所の古物取引に関して管理・監督・指導ができる立場の方を選任して下さい。

管理者は個人での申請の場合は本人、法人で申請の場合は代表者や役員が兼ねることも可能です。

営業所から遠方に居住していたり勤務地が違うなどその営業所に勤務出来ない方を管理者に選任することはできません。複数の営業所を設ける場合はそれぞれの営業所に管理者が必要になり掛け持ちはできません。

申請手数料

申請手数料は19,000円です。申請場所は営業所の所在地を管轄する警察署の防犯係です。

許可が下りるまでの日数

申請から許可が下りるまでの日数は40日間と定められています。この40日の期間は申請した日の翌日から起算し、土曜・日曜、祭日、年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)を含めず、暦に従い末日までの期間で算定します。

古物商許可の欠格要件

欠格要件も定められています。個人の場合は申請者本人と古物の管理者、また法人(会社)の場合は法人役員と管理者が、下記の欠格要件に該当していないことが求められます。

欠格要件1 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
欠格要件2 禁錮以上の刑に処せられ 又は第31条に規定する罪若しくは刑法第247条 背任罪 、第254条(遺失物横領の罪)若しくは第256条第2項(盗品等運搬、)盗品等保管、盗品等有償譲受け、又はその有償の処分のあっせん)に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から起算して5年を経過しない者

一定の刑に処せられたことがある人は、その後一定期間の間、古物商許可を取得することができません。上記の刑の執行猶予を科せられた場合は、その執行猶予期間が終了してしまえば、その時点から古物商許可の申請が可能となります。

欠格要件3 住居の定まらない者

申請の添付書類の中には住民票の写しが含まれていますので、この要件にひっかかってしまう方はほとんどいらっしゃらないかと思いますが、許可を受けるにあたっては、住居が定まっていなければなりません。

欠格要件4 古物営業法第24条の規定によりその古物営業の許可を取り消され、当該取り消しの日から起算して5年を経過しない者(許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取り消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前60日以内に当該法人の役員であった者で当該取り消しの日から起算して5年を経過しないものを含む )。

以前に古物商許可を受けていたことがあって、その許可が取り消されてから一定期間を経過していない場合にも、新たな古物商許可は取得できないということです。

欠格要件5 古物営業法第24条の規定による許可の取り消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該取り消しをする日又は当該取り消しをしないことを決定する日までの間に第8条第1項第1号の規定による許可証の返納をした者(その古物営業の廃止について相当な理由がある者を除く )で、当該返納の日から起算して5年を経過しないもの

古物商許可が取り消されそうになったとき、それを阻止するため先に古物商許可を返納した場合であっても、そのような行為を行った者は一定期間、古物商許可の申請はできませんという意味になります。結局、古物商許可に関して何らかの違法行為を行った疑いのある場合は、新たに古物商許可を受けようとしても困難になってしまうわけです。

欠格要件6 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者。(ただし、その者が古物商又は古物市場主の相続人であって、その法定代理人が前各号のいずれにも該当しない場合を除く者とする。)

未成年者は原則、欠格要件に該当することになります。

古物商に有効期限はある?

古物商許可証には有効期間がありません。

従って、一度許可を取得してしまえば、古物商を廃業しない限り継続して許可が有効ですし、更新もありませんので更新手続きも不要です。

しかし、いつ許可を取得してもいいというものでもありません。古物営業法第6条には許可を受けてから6月以内に営業を開始しない、又は引き続き6月以上営業を休止し、現に営業を営んでいないという事実が判明したときは許可を取り消すことができる、という規定があります。

古物商許可を申請する場合においても、既に古物商許可を必要とする状態に至っているか否か、警察署担当者から確認がなされることがあります。

古物商としての営業が全くもって漠然としていたり、予定が半年以上後であったりする場合は、古物商としての営業が具体化してから許可申請をした方がいいでしょう。

古物商許可の手続きについて必要書類ですが、個人許可申請と法人許可申請では申請書や添付書類が異なってきます。

古物商申請の必要書類は?

個人許可申請の場合

  • 許可申請書(個人許可申請用)
  • 添付書類
  • 住民票・身分証明書・略歴書・誓約書(本人と営業所の管理者の分が必要です)
  • 営業所の賃貸借契約書のコピー(自社ビル、持ち家以外の場合)
  • 駐車場等保管場所の賃貸借契約書のコピー(自動車等の買取の場合)
  • プロバイダ等からの資料のコピー(URLを届け出る場合)

添付書類の内容について詳しくは以下法人許可申請の場合の中で説明致します。

法人許可申請の場合

  • 許可申請書(法人許可申請用)
  • 添付書類
  • 法人の登記事項証明書
  • 法人の定款(コピー可)
  • 住民票・身分証明書・略歴書・誓約書
  • (監査役以上の役員全員と営業所の管理者の分が必要です)
  • 営業所の賃貸借契約書のコピー(自社ビル、持ち家以外の場合)
  • 駐車場等保管場所の賃貸借契約書のコピー(自動車等の買取の場合)
  • プロバイダ等からの資料のコピー(URLを届け出る場合)
    ※こちらの添付書類については東京都での申請の場合です。

古物商が営業できる事業目的

登記事項証明書と定款は法人の「目的」欄に、古物商として営業することが読み取れる記載が必要になります。

例)古物営業法に基づく古物商

この目的欄から古物商として営業することが読み取れないと、申請書を受理してもらえません。ただし、定款の変更や登記手続きは時間がかかることが多く、株主総会の決議を経ないとできない場合などは古物営業を営む旨を決定した内容のある「役員会の議事録の写し」又は「代表取締役の署名押印のある近日中に目的を追加(変更)するという確認書」もあわせて提出することで申請を受理してもらうこともできます。

※定款はコピーで大丈夫ですが、原本証明が必要です。定款の一番最後の末尾余白に、

以上、原本と相違ありません

平成○年○月○日

代表取締役 【代表者氏名】 代表者印

と記名押印します。

住民票と身分証明書の注意点

住民票は本籍(外国人の方については国籍等)が記載されたもので、「個人番号」の記載がないものです。

身分証明書とは本籍地の市区町村が発行する「禁治産者(被後見人)、準禁治産者(被保佐人)、破産者でない」ことを証明してもらうものです。各市区町村の戸籍課等で扱っています。

略歴書の注意点

略歴書には最近5年間の略歴を記載し、本人の署名又は記名押印が必要です。申請時の5年前の時点での経歴が読み取れるように記載します。

5年前の時点での役職に就いたのが例えば7年前であれば7年前のその役職に就いた年月日から記載をします。最後は現在の役職に就いた年月日を記載し、「現在に至る」等と記載してください。

営業所の賃貸借契約書の注意点

営業所の賃貸借契約書のコピーは、営業場所・市場の場所が正規に確保されているかを確認するものです。自社ビル、持ち家の場合は、必要ありませんが、こちらも各都道府県や管轄警察署によって若干異なる場合がありますので確認が必要です。

賃貸借契約書のコピーを提出する場合にまず大事なのはその物件の使用目的が何になっているかです。使用目的が「事務所」などであれば問題が生じることが少ないです。

が、この欄が「住居専用」や「居住用」となっていると、原則、営業行為を行ってはいけないことになるため、そのままでは古物商許可の申請を受理してもらうことができません。

だだし、もし使用目的が「住居専用」である場合でも、賃貸人(物件のオーナーさん)から古物商の営業所として使用することを別途書面で承諾をもらうことができれば、賃貸借契約書上は住居専用物件であっても申請は受理してもらえる可能性が高くなります。

次に、その物件を貸している人、借りている人は誰かという契約者の欄が確認されます。賃貸人が誰かというのは、前述の使用目的欄が住居用となっている場合などに、使用承諾書をもらうべき相手が誰なのかを確認するためです。

また、借りている人が誰かというのは、古物商許可の申請者と借りている人が同一人物(同一会社)であるかどうかを確認するためです。仮に賃借人欄に別の人の名前が入っていたり、会社で古物商許可を申請するのに代表者個人が借りている物件であったりすると、そのままでは申請が受理してもらえません。

このような場合には、直接に借りている人から転貸しているかたちになるため、まず大家さん(建物オーナーさん)から転貸についての承諾書(および古物商の営業所として使用することの承諾書)と、さらに直接借りている賃借人から転借人(古物商許可の申請をする人)への使用承諾書を得ることで、申請を受理してもらえる可能性が高くなります。

次に契約期間です。古物商許可は、その営業所で古物商を営む場合に許可が下ります。そのため、2年契約などではなく数ヶ月だけの短期契約や、契約期間満了が間近である場合などは、申請を受理してもらえない可能性があります。

ただし、後者の賃貸借契約期間が満了間近の場合などは、更新することが確実である何らかの書面を添付することによって、受理してもらえることがあります。

また、契約期間が自動更新となる契約では、賃貸借契約書を見ただけでは期限が切れているように見えることもよくあります。このような場合は、現在も契約が継続していることを証明する資料(たとえば毎月の賃料を払っていることがわかる領収証や、契約を更新したことがわかる覚書等)を添付することで、申請を受理してもらえることがほとんどです。

集合住宅の一室を古物商の営業所とするケースでは、自分の持ち家(分譲マンションの所有)であっても、別途、マンション管理組合からの使用承諾書を添付するよう求められることもありますのでご注意が必要です。

また、営業所とする場所・物件には独立性が求められます。賃貸物件であれば、通常あまり独立性が問題になることはありませんが、大きめのフロアを別の個人事業主や会社と同居して共有している場合などは、パーテーションなどで完全に区切り、それぞれが完全に独立したスペースになるようにする必要があります。

誓約書の注意点

誓約書は古物営業法第4条(許可の基準)に該当しない旨を誓約していただく書面です。第4条では、公安委員会は、許可を受けようとする者がいずれかの欠格要件に該当する場合においては許可をしてはならない、と定めています。欠格要件は先に述べたとおりです。

車の保管場所などの注意点

駐車場等保管場所の賃貸借契約書のコピーは自動車等の買取りの場合に必要になります。自動車の保管場所が確保されているかを確認するためのものです。

賃貸ではなく自社・自宅敷地内に保管する場合は、自社物件であることを証明する書類や保管場所の図面、写真等保管場所が確認できる資料の添付が必要です。

法人で役員さまが多数いらっしゃる場合

会社の役員さまが多数いらっしゃる場合はその方々全ての書類が必要になります。そのため個人事業の古物商許可とは全く異なる規模での申請手続きになります。

必要書類の数が増えるのでその分手間もかかり、準備期間も長くなってしまいます。住民票や身分証明書の手配のみでなく、略歴書・誓約書も全ての役員様の分を作成する必要があります。

海外在住の役員さまがいらっしゃる場合

外資系の企業様に置いては海外在住の役員さまが多数いらっしゃることもあるでしょう。その場合は海外の住所を証明する書類が必要になります。この場合は、その役員の住所を確認できる書類(その人宛てに送られた郵便物や、公共料金の請求書などで住所が確認できるもの)を複数枚用意する必要があります。

例外的な添付書類ですので、どの書類が該当するかは担当の警察署窓口に問合わせたほうが確実です。住所を確認できる書類だけでなく、警察署より、生年月日や性別を確認できる書類を提出するように指導されることもあります。

外国籍の役員さまがいらっしゃる場合

外国籍の役員さまがいらっしゃる場合は、略歴書と誓約書はご本人が内容を確認のうえ署名又は記名押印してください。母国語の訳文を付けるか、本人署名欄下に、「上記誓約内容を○○語で通訳し、理解したうえ本人が署名しました 通訳人○○○○(署名)印」と記載してください。

身分証明書に代わる書類としてその方を申請者とした証明書を作成して提出します。その証明書には証明者として関係者二人の署名が必要です。

そして住所が海外ですと同じく海外の住所を証明する書類が必要になります。

複数の都道府県に店舗展開する企業さま

既に複数の都道府県に渡って店舗を展開する企業さま(フランチャイズチェーン等)が、事業内容として新たに中古品売買の追加を検討される機会もあるかと思います。

これまでは、営業所等複数の都道府県に渡っている場合は、都道府県ごとに古物営業の許可を取得する必要がありました。

しかし法改正により令和2年4月1日から「許可単位の見直し」が施行され、主たる営業所等の所在地を管轄する公安委員会の許可を受ければ、その他の都道府県に営業所等を設ける場合には届出で足りるようになります。

各公安委員会・管轄警察署に確認を

先に述べたとおりこちらの必要書類等は東京都での申請の場合になります。

古物商許可はそれぞれの都道府県や地域によって、許可にあたって手続き上の独自のルールが設けられていることもよくあります(古物商許可のローカルルールといわれます)。

申請の大まかな部分は共通していても、細かな部分ではそれぞれに相違があるため、ローカルルールに阻まれてなかなか思うように申請が進まないというケースも往々にして起こります。

ある添付書類がこちらの都道府県では必要なかったけどあちらの都道府県では提出を求められた、というケースもございます。

古物商のローカルルールの例

同じ都道府県内ですらそのようなことはございます。

一つの例ですが、東京都の場合は添付書類のところでご説明しました通り、扱う品目が自動車の場合は保管場所として駐車場等保管場所の賃貸借契約書のコピーが必要になります。

ですが保管場所の書類自体が必要ない県もあれば、さらに追加で駐車場の写真や見取図などを求めてくる警察署もございます。

他の例では、添付書類の誓約書について、東京都では個人、役員が管理者を兼ねる場合は管理者用のみ提出でよいとされています。ですが他府県では個人、役員が管理者を兼ねる場合でもそれぞれの誓約書の提出が必要とされています。

このように提出先によって相違があることを想定して、申請書や必要な添付書類について細かいことは前もって管轄の警察署に確認をしておいた方がよいでしょう。

古物商担当者に予約を入れることが大事

申請をしようと時間内であればいつでも警察署へ行ってもいいというものではありません。古物商の担当者が不在だったり、急に何かしらの事件が起こって全員出払ってしまっていた、なとどいったこともよくあります。

事前に管轄の警察署の担当者に連絡をして予約を取るなど、担当者が署内にいて申請ができる日時の確認は必ず行いましょう。

古物商許可を取得した後は

古物商の許可が下りて、古物許可証を交付されたら営業を開始できます。まず準備しなければならないのは許可「標識」です。古物商が古物営業の許可を受けているものであるかどうかを利用者に容易に識別させるため及び無許可営業者を排除するために、それぞれ営業所ごとに公衆の見やすい場所に「標識」を提示しなければならないこととされています。

標識は様式が定められており、許可番号・〇〇商・氏名、名称を記載します。〇〇は取り扱う区分、二以上の区分に関わる古物を取扱う場合は主として取り扱う区分、を記載します。

色は紺色地に白文字です。材質は金属、プラスチック、又はこれらと同程度の耐久性を有するものとされています。各地域の古物商防犯協会などでも斡旋していて、プラスチック素材で作ってもらうのが一般的です。

インターネットで販売している業者もありますので、探してみるのもいいかと思います。

古物商の防犯三大義務

古物営業法は古物商に様々な義務を課しています。その中でも最も重要な義務が、「取引相手の確認義務」、「不製品の申告義務」、「帳簿等への記録義務」の3つです。これを防犯三大義務と呼んでいます。

その1 取引相手の確認義務

古物商は古物を買い受けたり交換するときは、相手方の身元の確認義務があります。証明書等により相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認しなければなりません。証明書等による確認ができないときは、相手から前面でその住所、氏名、職業及び年齢を記載した文書(その者の署名のあるものに限る)の交付を受け、必要な確認を行わなければなりません。

ホームページを利用して相手方と対面しないで古物の買受等を行う場合も確認が必要です。その方法はいくつかありますのでそのどれかを行います。電子署名を行ったメールの送信を受けたり、本人限定郵便を使用したり、印鑑登録証明書及び登録した印鑑を押印した書面の送付を受けるなどの方法があります。

その2 不製品の申告義務

古物商は買受等する場合において、その古物について不製品の疑いがあると認めるときは、直ちに警察官にその旨を申告しなければなりません。不申告に対する罰則の規定はありませんが、営業停止等の行政処分の対象になります。

その3 帳簿等への記載義務

古物商は買受等をする場合に古物を受け取り又は引き渡したときは、その都度帳簿若しくはこれに準ずる書類に記載をし、又は電磁的方法により記録をしておかなければなりません。記録すべき事項は①取引の年月日 ②古物の品目及び数量 ③古物の特徴 ④相手方の住所、氏名、職業、年齢 ⑤相手方の真偽を確認するためにとった措置の区分及び方法 です。

1万円未満で買取りする場合は、原則として相手方の確認義務と帳簿等への記録義務が免除されます。古物を売却する場合も原則として相手方の確認義務は課されず、帳簿等への記録の義務は免除されます。

例外として自動二輪車、原動機付自転車(ともに部分品を含む)、家庭用コンピュータゲームソフト、書籍、映画や音楽を記録したCD・DVD等を買取る場合は1万円未満で買取りする場合でも免除されません。

古物営業の実態に鑑み、自動車について、古物の特徴欄における記載例を規定するなどの改正が行われました。自動車に関する取引において、帳簿の特徴欄に、「検査証記載のナンバー」、「車名」、「車体番号」、「所有者の氏名等」を記載することとされました。

売却の場合はほとんどが記載を免除されていますが、美術品類、時計・宝飾品類、自動車を1万円以上で売却したとき、自動二輪車、原動機付自転車を売却したときは金額に関係なく記載が必要になりますので注意が必要です。

古物商許可を取得した後に変更があった場合

古物商許可を取得して中古品の売買業を始めた個人の方や法人は、名前や名称が変わったり、住所が移転したりしたときに、経由警察署に対して古物商の変更届や書換申請を提出しなければなりません。

変更届と書換申請の違いは、その変更が生じたとき、既に発行されている古物商許可証の記載のある事項を書き換える必要があるか否かの違いです。許可証に記載のある事項とは許可者の氏名又は名称、住所、法人の代表者の住所、氏名、行商する・しない、です。これらの事項を変更する場合は「書換申請」が必要になります。

その他の事項が変更になった場合は変更届出になります。

書換申請の手数料

書換申請の手数料は、1,500円です。変更届出は手数料はかかりません。

書換申請と変更届の提出期限

書換申請と変更届出には期限があります。変更があった日から14日以内です。登記事項証明書を添付しなければならない変更の場合は20日以内です。

この期間はとても短いので計画的な変更と迅速な対応が必要です。登記事項変更の場合は登記変更自体にある程度時間がかかってしまうことも考えられます。

役員のお一人が報告もなく引越していて、分かったのがだいぶ経ってからだったとなると届出が間に合わなくなってしまうこともあります。役員の方や管理者の方を含め、関係者全員が周知しておく必要があるでしょう。

変更内容によって書換申請・変更届出書に添付する書類がそれぞれあります。

法人の名称・所在地 法人の履歴事項全部証明書
法人の代表者 法人の履歴事項全部証明書
(役員でない者が代表者になった場合)追加 住民票・身分証明書・略歴書・誓約書
法人の代表者の住所 法人の履歴事項全部証明書又は住民票
役員の変更 法の人履歴事項全部証明書
(新たな役員の追加の場合)追加 住民票・身分証明書・略歴書・誓約書
役員の住所変更 住民票
管理者の交替 住民票・身分証明書・略歴書・誓約書
管理者の住所変更 住民票
営業所の増設 営業所の賃貸借契約書のコピー
新たな管理者の住民票・身分証明書・略歴書・誓約書
営業所の移転 新たな営業所の賃貸借契約書のコピー
行商をする・しないの変更、主たる取引品目の変更、営業所の取引品目の変更、営業所の名称変更 添付書類なし

個人事業の法人成りと古物商許可

個人として(個人事業で)許可を受けていた方が、途中で会社を作って法人化したときはどうでしょうか。この場合は変更ということではなく法人の古物商許可を取り直すのが原則となります。

個人として受けていた古物商許可を返納し、新たに法人(会社)として古物商許可を取り直すことになります。

同じく個人として許可を受けていた方がお亡くなりになった場合もあくまでも個人の許可ですので、そのままお子様に古物営業を引き継ぐことはできません。お子様自身が許可を取得する必要があります。

法人の代表取締役の方が息子さんに会社を譲りたいという場合は、息子さんを代表取締役に選任した上で代表者の変更届出をすれば、当該法人の許可のまま古物営業を続けることができます。

古物商廃業・古物許可証の返納について

古物商許可は、一度取得したら有効期間というものはありません。ですが以下のような場合には、公安委員会から受けた許可証を返納しなければならないことになっています。

  • 古物商の営業を廃止したとき
  • 許可を取消されたとき
  • 個人の古物商許可を受けた個人事業主が亡くなったとき
    (個人で許可を取得した方が死亡した場合は、親族又は法定代理人に返納義務が課せられます。)
  • 許可証の再交付を受けた場合に、亡失した許可証を発見し回復したとき

次の場合は廃業手続きをとって許可証を返納しなければなりません。

  • 古物商の営業を半年以上行わないことになったとき
  • 営業内容が古物営業に該当しなくなったとき

古物商許可の窓口となっている警察署(経由警察署)に対して、返納の届出を行います。都道府県や警察署によって多少異なることがありますが、概ね以下のような手続きになります。

  • 警察署担当者へ返納する旨を電話連絡
  • 返納理由書(各都道府県や警察署が用意している所定の様式)の記入
  • ホームページを用いて営業していた場合はホームページ閉鎖の届(所定の様式)
  • 担当者と打ち合わせた日時に警察署で返納書等を提出、古物許可証を返納。

許可申請のときと異なり、返納手続きでは手数料などは必要ありません。

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